交換レンズ

望遠レンズのブレ解決法|Tvモード・低速限界・三脚を使おう

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こんにちは。フリーカメラマンのユキカです。

みなさん、望遠レンズは使っていますか?

望遠レンズは、背景がぼかしやすかったり、圧縮効果が使えたりするので、標準レンズより簡単にドラマチックな写真が撮れるレンズです。

望遠レンズの魅力については▼こちらの記事▼で詳しくお伝えしています。

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【カメラ初心者必見】望遠レンズの魅力を知れば写真がワンランクアップ

その一方で、望遠レンズには気を付けておきたいこともあります。

それは、とてもブレやすいということ。

たしかに、望遠レンズで撮った写真ってブレていることがよくあります。

ブレは、カメラの設定を変えたり、アクセサリーを使うことで、防ぐことができます

ブレを防ぐ方法を知ったうえで使えば、望遠レンズはあなたの強力な武器となります。

きちんと理解すれば、間違いなく攻略できますよ。

それではさっそく説明していきましょう。

ブレについて理解しよう

ブレには手ブレと被写体ブレの二種類がある

そもそも、「ブレ」と言われるものには、2種類あることを抑えておきましょう。

カメラを持つ手が動く「手ブレ」と、被写体が動く「被写体ブレ」です。

ブレって、どうして起こるのかしら?

写っているもの全てがブレて写っていたら、原因は手ブレです。一方、背景はブレていないのに、主役となる被写体だけがブレていたら、原因は被写体ブレです。

手ブレはレンズに応じた適切なシャッタースピードを設定しすることで、また被写体ブレは撮影する被写体に応じたシャッタースピードを設定することで、防ぐことができます。

望遠レンズのブレ対策[その1]Tvモードで撮影する

適切なシャッタースピードを設定することで、ブレを防ぐ

ブレを防ぐ一番シンプルな方法は、シャッタースピードを決めて撮影すること。つまり、Tvモード(シャッタースピード優先モード)で撮影する方法です。

モードダイヤル
ダイヤルを回して”Tv”に設定

Tvモードでは、自分の設定したシャッタースピードに固定して撮影ができます。

その代わり、絞り(F値)がカメラまかせになるので、ぼけ具合はコントロールできません。

Aモード(オート)やPモード(プログラムオート)、Avモード(絞り優先)で撮影している場合、シャッタースピードはカメラまかせです。

状況に応じてカメラがシャッタースピードを変えるので、シャッタースピードが遅くなってしまうこともあるんです。

「ブレない」ことを最優先するのであれば、Tvモード(シャッタースピード優先)を選び、適切なシャッタースピードを設定してブレをふせぎましょう。

手ブレしないシャッタースピードの目安

手ブレしないシャッタースピードって、どれくらいなのかしら?

手ブレを防ぐシャッタースピードは、使用するレンズによって異なります。

広角レンズだと手ブレはおきにくく、望遠になるほど手ブレは起こりやすくなります。

一般的には、「焦点距離」分の1秒以上のシャッタスピードが手ブレしない目安と言われています。

手ブレをふせぐシャッタースピードの目安 = 1/焦点距離 

例)300mmレンズを使う場合:シャッタースピード 1/300秒以上

被写体ブレしないシャッタースピードの目安

被写体ブレを防ごうとする場合、どんなものを撮るかによって、シャッタースピードが変わってきます。

動いていないもの、例えば花や人物を撮る時は、手ブレしない程度のシャッタースピードでOKです。望遠側が200mm~300mmの望遠レンズを使っているなら、1/200秒~1/300秒でOKでしょう。

しかし、動いている人物を撮る場合は、シャッタースピードが変わります。走っている子どもを撮る場合なら1/500秒以上、状況によっては1/1000秒くらいにする場合もあります。

さらに動きの速いもの、例えば鳥が飛び立つ瞬間を撮影する場合は1/800秒以上に設定しましょう。

撮影するものシャッタースピード
花・人物(動いていない)1/300秒以上
運動会(かけっこ)1/500秒以上
鳥(飛びたつ場面)1/800秒以上

望遠レンズのブレ対策[その2]シャッタースピードの低速限界を設定しAvモードで撮る

中級機以上のカメラでは、ISOオートの時のシャッタースピードの低速限界を設定することができます。

【ISOオート時のシャッタースピードの低速限界】

ISOオート設定時に、シャッタースピードが自動的に遅くならないように、低速限界(下限速度)を設定することができます。この機能はプログラムAE 絞り優先AEモードで、広角レンズを使用して動いている被写体を撮影するときや、望遠レンズを使用するときに効果的です。手ブレや被写体ブレを軽減することができます。

キヤノン:製品マニュアルより

私のカメラだと、80D、6Dmark2、RPで設定が可能ですが、Kiss X7にはこの機能はありませんでした。

Avモード(絞り優先モード)で、ISO感度をオートにして撮っているとき、「これ以上遅くしない」という最低シャッタースピードを設定することができます。

「シャッタースピードがこれ以上遅くなるとブレる」という数値を「低速限界」として設定することでブレを防ぐ、という仕組み。とても便利な機能です。

キヤノンのカメラでは、「メニュー>ISO感度に関する設定>オートの低速限界>低速限界のシャッタースピードを設定する」です。

ISO感度に関する設定
ISO感度に関する設定
ISO感度に関する設定

撮影している間に、明るさはどんどん変わります。

撮影場所や撮り方を変える度に、今のカメラの設定ブレていないかチェックすることが理想ですが、うっかり忘れることもあります。

日なたの明るいところで撮ったあと日陰に移動し、カメラ設定の変更し忘れた結果、シャッタースピードが遅くなりブレてしまったということを、私自身何度もも経験しています。

そんな失敗を防いでくれるのが、この「Avモード+ISOオートの低速限界」です。

レンズや被写体によって低速限界の値を設定して撮影しましょう。

カメラの講座で教えてもらって以来、ずっと利用している便利な機能!おすすめですよ。

望遠レンズのブレ対策[その3]三脚・一脚を使う

最後の方法は、三脚を使って手ブレを防ぐ方法です。

望遠レンズがブレやすい理由は、単純に長くて重いからということもひとつです。

超望遠レンズや、Lレンズなど、高機能な望遠レンズには、片手で支えるのが難しいほど重たいものもあります。

望遠レンズにもいろいろな種類がありますが、標準レンズと比べると長くて重いことは間違いありません。

この写真↓でも一目瞭然。左2本の標準レンズに比べ、右2本の望遠レンズは大きいし、ずっしり重いです。

重い望遠レンズは手持ちで撮影していると手ブレが起きやすいです。三脚にしっかり固定して、手ブレをふせぎましょう。

EFレンズ
左から、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM(480g)、 EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM(525g)、 EF70-300mm F4-5.6 IS II USM(710g)、 EF70-200mmF2.8(1,490g)

三脚が使えないシチュエーションでは、一脚も手ブレ軽減に役立ちます。レンズが重くなればなるほど、威力を発揮します。

私もそうですが腕力に自信のない方は、重たいレンズを使って手持ちで長時間撮影していると、腕が疲れてカメラを支えられなくなってきます。

一脚があれば、長時間の撮影でも手持ちほど腕力を消耗しません。体力は集中力にも影響します。状況に応じて、三脚・一脚を利用していきましょう。

望遠レンズは暗所に弱いと知っておこう

一般的に、望遠レンズは暗い場所が苦手です。

お話ししたとおり、標準レンズと比べると望遠レンズはブレやすいので、どうしてもシャッタースピードを速く設定する必要があります

シャッタースピードを上げるということは、ISO感度も上がるということ。暗い場所で撮る場合は、画質が悪くなってしまいます。

日中の屋外ではあまり問題はないですが、室内での使用はそうもいきません。

例えば体育館で行う運動会の撮影では望遠レンズを使いたくなりますが、一般的な望遠レンズでシャッタースピード1/500で撮影すると、ISO感度が12,800くらいになってしまうこともよくあります。

結果として画質が悪くなり、写真がザラザラになります。(この現象を「ノイズが出る」と言います。)

こういった状況で活躍するのが明るく撮れる(F値が小さい)望遠レンズです。

純正の新品だと20万円以上の価格です。

あれば便利ですが、ずっしりと重いこともあり、出番も限られます。

最近はレンズのレンタルサービスもいろいろあります。どうしてもという場合は、そんなのを利用してみるのもいいかもしれませんね。

EF70-200mmF2.8
EF70-200mmF2.8

まとめ|Tvモード・低速限界・三脚を利用して、望遠レンズのブレを解決しよう

いかがでしたか?

まとめると、望遠レンズをブレずに使うには、以下のポイントが大切だということです。

  • Tvモードで撮影する
  • 手ブレをふせぐには、1/焦点距離 より速いのシャッタースピード
  • シャッタースピードの低速限界を設定する
  • 三脚や一脚を使用する

私自身も、シャッタースピードの低速限界設定を知らなかったころ、ブレた写真をたくさん撮影してしまったことがありました。

でも、そんな失敗があったからこそ、そこから学び、成長したんだなあと感じます。

みなさんもたとえ失敗を恐れずにどんどんチャレンジしてくださいね。失敗しても、それを成長だととらえれば大丈夫。失敗するたびにスキルは上がります。

失敗も前向きに捉えて、どんどん写真を撮っていきましょう!

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