こんにちは。フリーカメラマンのユキカです。
「一眼レフカメラを購入して、セットのレンズで撮ってみたけど、なんかいまいちだった」とか、「スマホ写真とあんまり変わらない気がする」と思った方いませんか?
もっとかっこいい写真が撮れると思ったけど、期待外れ。初心者用カメラだからこんなものなのかな…なんて思った人も多いのではないかと思います。
私も、初めて買った初心者用一眼レフで撮ったとき、なんかいまいちだなーって思ったことを覚えています。
自分でもいまいちだなあと思う写真で、お客様の心をつかむことはできませんよね。
そもそもセットで付いてくる標準レンズ(キットレンズ)では、ドラマチックな写真を撮るのは難しいんですね。
そこで今回は、キットレンズの次に買うべきおすすめの交換レンズは、単焦点レンズがおすすめです、という話しです。
単焦点レンズに付け替えるだけで、何気ないものがドラマチックに写ります。もちろん、SNSに投稿したときにも目を引く写真になるでしょう。
なぜ単焦点レンズがおすすめなのか、今回はその魅力について詳しくお話ししていきましょう。
単焦点レンズとは?
そもそも単焦点レンズとはどんなレンズなのかをご説明します。
【単焦点レンズ】とは
焦点距離が固定されたレンズ(距離が変えられないので、ズームができない)
一般的にFの最小値(開放)が1.2から2.8などと小さく、背景がぼけやすく、明るく撮れるのが特徴
明るく撮れて背景がぼけやすいなんて、いいことづくめですね。
そんな単焦点レンズの特徴について、より詳しくみていきましょう。
単焦点レンズなら、ぼけがきれいな写真が撮れる
一眼レフカメラと言えば、ぼけ感のある写真が撮れることが魅力のひとつだと思います。
背景がぼけている写真ってプロっぽいイメージ!
なぜ、背景がボケるといい写真に見えるのでしょうか?
その理由は、主役が引き立つからなんです。
主役と脇役が明確になり、自然と主役に目がいきます。
また、ぼけによるふんわりとした雰囲気が、写真をとてもドラマチックに見せてくれます。
この写真は、私がカメラを買った一年目に撮った写真です。「EF50mmF1.8」という単焦点レンズを付けて撮りました。
ボディは初心者用のEOS Kissですが、単焦点レンズを使い、Fの値を一番小さく(開放)したところ、こんな写真が撮れました。
後ろの植物がぼけていて、独特の雰囲気がありますよね。
ぼけ具合はF値で決まります。F値と絞りについて、詳しく解説していきましょう。
【F値】とは
絞り(focus)の値。 F値が小さいほどぼけやすく、写真が明るく撮れる。
【絞り】とは
レンズから入る光を調整するための機能。穴の大きさを変えることで、取り込む光の量を調整する。
一眼レフカメラでは、カメラのF値を自分で変えることで、明るさやボケ具合をコントロールします。
Fの最小値はレンズによって異なりますが、Fの値が小さいほどぼけやすくなります。
キットでついてくる標準レンズは、『F4-5.6』などとなっているものが多く(焦点距離で最小のF値が変化)、ぼけやすいとは言えません。
上の写真を撮った単焦点レンズはF値の最小が1.8なので、そもそもぼけやすいレンズということなんです。
単焦点レンズと標準ズームレンズのぼけ具合はこんなに違う!
標準ズームレンズと比較すると、単焦点レンズのぼけはどれくらい違うのか?を見てみようと思います。
次の2枚は同じカメラ(ボディ)で同じ位置から撮影した写真です。
一枚目は標準レンズで、焦点距離を50mm、F値(絞り)を一番小さい値(開放)の5.6にして撮影しました。
二枚目は50mmの単焦点レンズを使用し、F値(絞り)を一番小さい値(開放)の1.8にして撮影しました。
二枚目は、後ろがすごくぼけてる!
後ろに見える本に注目すると、ぼけ具合がかなり違っているのが分かりますよね。
レンズを変えることで、ぼけ具合が異なり、雰囲気の違う写真が撮れるようになるんです。
例えば、おしゃれなカフェやレストランに行ったとき。お料理やスイーツの写真を撮りたくなりますよね。
このとき背景をぼかすと、一気にかっこよくておしゃれな写真に変身します。
かめら初心者でも簡単に楽しめるので、ぜひ、試してみてくださいね。
単焦点レンズは明るい写真が撮れる
単焦点レンズのもうひとつのメリットは、「明るく撮れる」ということです。
明るく撮れるって、どういうことだろう?
標準レンズにくらべ、単焦点レンズのほうが、ISO感度を低くおさえて、高画質で撮ることができる、という意味です。
ISO感度についても説明しておきましょう。
【ISO感度(いそかんど)】
ISO感度とは、デジタルカメラが光をとらえる能力を表す値。屋外など明るい環境ではISO感度を低く設定し、室内や夜など暗い環境ではISO感度を高く設定します。数値が大きくなるほど画像がざらつき、画質が低下します。
一枚目は標準レンズで撮影した写真。ISO感度は1600です。
一方、二枚目の単焦点レンズで撮影したもの。シャッタースピードは一枚目と同じですが、ISO感度は400です。
二枚の写真はほぼ同じ明るさで、シャッタースピードも同じですが、絞りとISO感度が異なります。
今回の撮影で使った単焦点レンズは、開放値(Fの一番小さい値)がF1.8です。F値を小さくするほど、光の通る穴が大きくなるので、その結果、ISO400という低い感度でも明るさが確保でき、良い画質で撮ることができるんです。
一方、標準ズームレンズでは、F値を5.6までしか設定できませんでした。そのため、明るさを確保するためにISO感度が1600になりました。今回の状況では、画像がざらつくということはありませんでしたが、暗い状況で撮影する場合は、単焦点レンズが有利ということが分かりますよね。
室内は、人間が感じているよりもかなり暗いです。なるべくISO感度を上げずに画質のきれいな写真を撮りたい場合、単焦点レンズはとても役に立つレンズです。
フルサイズなら50mm、APS-Cなら35mmの単焦点レンズがおすすめ
一口に単焦点レンズと言っても、かなりの種類があります。
どのレンズにするか選ぶとき、まず決めるのは「焦点距離」です。つまり、「何ミリのレンズにするか?」ということです。
これを決めるために、知っておきたいのがカメラのイメージセンサーのサイズです。
イメージセンサーってなあに?
【イメージセンサー】とは
画像を作る、カメラの心臓。レンズから入った光を電気信号に変換し、データ転送を行う部分です。
イメージセンサーの大きさに種類があり、一眼レフカメラやミラーレスカメラでは「フルサイズ」か、「APS-C」というサイズが多く使用されています。
店頭で「初心者用」や「入門機」として販売されているもののほとんどがAPS-Cです。キヤノンではEOS kiss シリーズ、70D・80D・90Dなどの二桁シリーズ、7Dシリーズがこれにあたります。
イメージセンサーが違うと、同じレンズをつけても撮れる写真の画角が異なります。
一般的に使いやすい画角とされているのがAPS-C機なら35mmで、フルサイズ機の場合は50mmです。
最初に買う単焦点レンズなら、この焦点距離のものをおすすめします。
※APS-Cのカメラに50mmレンズを装着して撮ることもできますが、やや画角が狭く(ズームしすぎたような状態)になり、撮影しずらい場合があります。
イメージセンサー | APS-C Canon EOS kiss・ 90Dなど 7Dシリーズ | フルサイズ Canon EOS 1D/5D/6Dシリーズ |
初心者に使いやすい おすすめ焦点距離 | 35mm | 50mm |
一般的に、F値が小さいレンズは価格が高いものが多いのですが、キヤノンもニコンも、50mmの単焦点ならリーズナブルなものを販売しています。
とりあえず買ってみよう!というノリでも買える価格。中古品も多く流通しています。
ぜひ一度試してみてください。
Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM フルサイズ対応 EF5018STM
単焦点レンズはピンボケに注意
単焦点レンズは、背景がぼけて明るく撮れる万能レンズのように見えますが、注意すべき点もあります。
開放にしたとき、つまりF値を一番小さい値にした場合、背景がボケやすくなると同時にピントがあう範囲がとても狭くなります。
つまり、ピントが合う範囲がとても狭いので、ピントがずれやすく、ピントがあまくなりやすいので注意しましょう。
開放(一番小さい数値)にしなくても十分にぼかせるので、開放がF1.8ならF2.5など、基本的には少し絞って撮影するようにしています!
ちなみに、F値を指定して撮影するのはAvモードかMモードです。
撮影モードについては、こちら↓の記事を参考にしてくださいね。
-
【カメラ初心者必見】撮影モードを使い分けて失敗を減らそう|Avモード・Tvモードの使い方
単焦点レンズについてのまとめ
まとめると、単焦点レンズにはいかのような特徴がありましたね。
- 背景がぼけてドラマチックな写真が撮れるようになる
- 標準ズームレンズより単焦点レンズはぼけを表現しやすい
- 単焦点レンズは明るく撮れる
- APS-Cなら35mm、フルサイズなら50mmがおすすめ
- 開放にするとピントの合う範囲が狭いのでピンボケしやすい
キットレンズで物足りなく感じたら、ぜひ単焦点レンズを試してみてください。
これまで、何気なく撮っていた写真が、単焦点レンズのチカラでドラマチックでプロっぽい写真に変わります。
そんな写真は、SNSのタイムラインでも人の目をひきつけるので、いいねの数が増えるかもしれませんよ。
単焦点レンズのドラマチックな写真でSNSやブログを華やかにしてくださいね。