毎日たくさん写真を撮っていますが、なかなかインパクトのある写真が撮れません。
どうすればそんな写真が撮れるようになりますか?
「写真は引き算」です。構図をちょっと工夫するだけで、印象的な写真が撮れるようになりますよ。
ブロガー自己紹介
この記事を書いている、フリーカメラマンのユキカです。
初心者一眼レフを買って3年でプロに転身。子供・家族・プロフィール写真撮影は年間100件以上。
ネットショップ・店舗向けのファッション雑貨や料理写真の撮影経験もあり。
最近は、起業家・フリーランス向けに写真撮影とホームページ制作や更新のサポートも行っています。
印象的な写真を撮るためには、構図の工夫がとても大切です。
工夫の仕方はとてもシンプルです。ずばり、「全部を構図に入れないこと」。
【写真は引き算】と言われます。構図を少し工夫し、シンプルにするだけで、メッセージ性の高い、印象的な写真が誰でも撮れます。
それでは、詳しくお話ししていきましょう。
多くの要素を入れた写真は説明的
広角側で撮った【引き】の写真と、ズームして撮った【寄り】の写真を比較してみましょう。
この【引き】の写真にタイトルをつけるなら、「庭の畑で大根を収穫する男の子」でしょうか。
広角で撮ると、男の子の背格好や、どんな場所で撮ったのか、周りはどんな様子だったのかなど、いろんな要素が写真に入ります。
その結果、たくさんの情報が伝わる【説明的な写真】になりがちです。
写真の主役を明確にする
この写真の主役は何か?何を見せるための写真なのか?そこを明確にしましょう。
最初につけたタイトルのように、庭の畑で男の子が大根を収穫していることを伝えたい写真だったなら、上の写真でOKですね。
ただ、上の写真が印象に残るかどうか?と考えると、疑問が残ります。インパクトがあるとは言い難いですね。
本当に背景の畑を写す必要があるのでしょうか?
男の子の全身を写す必要があるのでしょうか?
この写真で一番見せたいポイント、つまり主役はどれなのかを明確にすることで、より印象に残る写真になるのです。
写真を引き算で考え構図をすっきりさせる
あくまでも、この写真の主役は男の子です。それを考えて、必要のないものを引き算し、そぎ落としていきましょう。
同じ写真をトリミングして、【寄り】の写真にしてみました。
トリミング後の写真で目を引くのは、男の子の表情ですね。手元を見つめるうれしそうな目が印象的です。
指に土がついているところもよく見えて、現場の臨場感も伝わります。
頭や足が切れるくらいズームすることで、主役である男の子の細かな様子がよく分かり、写真から強いメッセージが伝わるようになりました。
改めて【引き】で撮った一枚目を振り返ると、写真の主役があまり目立たず、メッセージが弱かったと感じます。
印象に残る写真に仕上げたいなら、主役を明確にした【寄り】の構図がおすすめ。思い切ってズームをきかせ、主役が引き立つ構図で撮影してみましょう。
全部を見せないことで見る人の想像力にゆだねる
連続する被写体を写すとき、その全部を写さないことが印象的な写真に仕上げるポイントです。
お寺の境内に飾られたたくさんの風鈴。
この風鈴が飾られている棚は幅数メートルですが、その端(終わり)を写さないことで、人はこの風鈴の棚がどこまでもずっと広がっているように想像します。
実際の風景よりもドラマチックに表現できること、それもカメラの魅力のひとつだと感じます。
桜並木も同様です。始まりと終わりを写さないように撮ります。
実際にはこのすぐ先で途切れていても、その終わりを見せないことで、どこまでも続いているような雰囲気が出ますね。
これも、全てを写さない【写真は引き算】の理論。
見る人の想像力を刺激する写真。そんな写真は、間違いなく人の心に残っていくでしょう。
引き算で余白を作る
全てを写さない構図は、料理を撮る時にもおすすめです。
器を構図の真ん中に配置すると、「この料理を撮りました」というとても説明的な写真になってしまいます。
主役を真ん中に配置する構図のことを「日の丸構図」と言います。
日の丸構図はシンプルがゆえに、「ありきたり」、「面白みに欠ける」と敬遠されることも多いです。
そこで、器を構図の左右どちらかに寄せて、あえて端をフレームアウトさせます。そうすることで構図の中に何もないスペース=余白が生まれますね。
この余白が写真に独特の雰囲気を出したり、見る人の想像をかき立てる要素になってくれます。
ぜひ余白を意識して、ストーリーを連想させる写真に仕上げていきましょう。
まとめ|あえて全部を写さない構図を意識する
いかがでしたでしょうか。
写真は引き算で考え、主役を引き立たせるために、全てを写さないというお話しをしてきました。
- 多くの要素を入れた写真は説明的
- 写真の主役を明確にする
- 写真を引き算で考え構図をすっきりさせる
- 全部見せないことで人の想像力にゆだねる
- 引き算で余白を作る
思い切って寄ってみようというアドバイスをしましたが、どれくらい寄ったらいいのか、最初は加減が分からないと思います。
解決策は、何パターンも撮ることです。
撮影後にパソコンで見返すと印象が変わることもありますので、微調整しながらいくつかのカットを抑えておきましょう。
経験値が上がっていくと、そのさじ加減も少しずつ分かってきます。
構図と主役を意識することで、あなたの表現力は確実にアップします。
【写真は引き算】であることを忘れず、 たくさんの写真を撮っていきましょう。