こんにちは。フリーカメラマンのユキカです。
カメラアングルを制する者は写真を制する!大げさではなく、本当にそうなんです。
上から見下ろすように撮影したものと、下から見上げるように撮影したもの、比べると写真の印象は大きく変わります。
私が特におすすめしたいのが、『水平アングル』と『ローアングル』。
立ったまま上から撮影した(ハイアングル)写真は、いつも見ている景色とあまり変わらず、さほど驚きがありません。
一方、低い位置から水平アングルやローアングルで撮ると、景色がドラマチックになったり、写真に臨場感が出たりして、印象は大きく変わります。
水平アングルやローアングルでは、カメラならではの景色が見えてきます!
お花や子どもやペットなど、何気ない写真を撮る時もカメラアングルを意識するだけで、ドラマチックな写真に変わりますよ。
今回は、写真の表現を大きく左右するカメラアングルの種類とそれぞれの特徴について、お話ししていきましょう。
3つのカメラアングルを知っておこう
ハイアングル・水平アングル・ローアングルの違いと特色
カメラアングルには3つの種類があります。
上から見下ろすハイアングル、地面と平行にカメラを向ける水平アングル、そして下から見上げるハイアングルです。
同じものをそれぞれのカメラアングルで撮るとどうなるのかを見てみましょう。
同じ花を3つのカメラアングルから撮影して比較
近くに咲いていたデイジーというお花を3種類のアングルで撮ってみました。
同じお花ですが、アングルが違うと印象が大きく変わります。どんな風に変わるのか見ていきましょう。
ハイアングルはオーソドックスで説明的
まず最初は、被写体を上から見下ろして撮る、ハイアングルの写真です。
ハイアングルは、一般的なオーソドックスな撮り方です。デイジーの場合は、花の形がよく分かる、説明的な写真。
見慣れたアングルということもあり、安心感や親近感を与えます。
水平アングルは臨場感が出る
次に、お花を真横から見るように、水平アングルで撮ってみました。
水平アングルでは、背景をぼかすことで臨場感のある写真に仕上がります。
ハイアングルに比べるとお花の形は分かりにくいですが、奥行きや遠近感が出ました。
ローアングルは前向きな雰囲気に
今度は、花を下から見上げる、ローアングルで撮ってみました。
ローアングルでは、いつも見ている景色とは違う、ドラマチックで迫力のある写真が撮れます。
また、上へ伸びているようにも見えることから、「成長」や「躍進」といった言葉を連想させます。
同じお花を撮ってるのに、アングルを変えるだけで印象が全然違いますね。
そうなんです!SNSの投稿に使う場合は、自分の気持ちや伝えたいメッセージに合わせてアングルを考えてみると効果的ですよ。
ハイアングルの特徴
ハイアングルの作例を見ていきましょう!
ハイアングルでは、子供があどけなく写る
大人が立ったまま子どもを見下ろして撮るのは、ハイアングルですね。
上から撮ることで、頭が大きく写ります。子供らしさが強調されて、可愛らしい、あどけない雰囲気の写真に仕上がります。
テーブルフォトはハイアングル
食べ物や小物を写すテーブルフォトは、一般的にオーソドックスなハイアングルで撮影します。
ハイアングルは食べ物のおいしさが伝わりやすいと言われます。
また、周りに配置されたおしゃれな小物も一緒に写したいので、このアングルが一番適していると言われます。
この写真は斜め45度くらいのアングルですが、真上からの撮影もおしゃれな雰囲気に仕上がります。
水平アングルの特徴
水平アングルの作例を見ていきましょう
子供の表情を確実に写し取るのは水平アングル
ちいさな子どもを撮るときは、子どもの目線の高さにカメラを構えるのが基本です。
目線の高さで水平アングルに構えて撮ることで、子供の表情をしっかり確実に写真におさめることができます。
ペット撮影も目線の高さでの水平アングルが基本
ワンちゃん・ネコちゃんを撮るときも、それぞれの目線の高さにカメラを構え、水平アングルで撮るのが基本です。
ハイアングルでは、頭のてっぺんばかりが写ってしまい、顔をしっかり捉えることができません。
近くから撮るときは特に要注意。しゃがみこんだり寝転んだりすることで低い位置にカメラを構え、被写体の目線と同じ高さで表情をしっかりとねらいましょう。
低い位置から水平アングルで撮ると臨場感アップ
水平アングルの魅力の一つは、臨場感の表現です。
望遠レンズを使い、しゃがんで低い位置から撮ることで、地面を圧縮し臨場感を演出します。
これは桜のトンネルを表現したくて撮った写真。立ったままではなく、しゃがみこんで、レンズを地面と平行に構えて撮影しました。
地面に近い低い位置から水平アングルにすることで、桜のトンネルが奥まで長く続いていることが表現でき、また草の緑色がふわっとして、まるでじゅうたんのように見えますね。
桜も草も、ぎゅっと詰まった雰囲気が出ています。これが『圧縮効果』と呼ばれるもの。
低い位置から水平アングルで撮影することで臨場感が増し、写真を見ている人がまるでその場にいるかのような錯覚が生まれます。
ローアングルの特徴
ローアングルの作例を見ていきましょう
被写体の大きさや高さを強調
他のふたつに比べるとローアングルは撮ることが少ないですよね。
だからこそ撮り方自体に希少価値があって、写真に特別感を出しやすいと言えます。
一般的に、低い位置から見上げて撮ると、高さや大きさが強調されると言われます。
低い位置から、土手にいる人と飛行機をローアングルで撮影。
飛行機を見上げる人物の全身を入れて撮ることで、飛行機の大きさがより強調された写真になりました。
伊丹空港近くの千里川土手。飛行機が頭のすぐ上を飛んでいく、人気の撮影スポットです。
背景を空だけにして構図をすっきり
また、ローアングルなら、背景を一面青空にすることも可能です。
公園の小高い丘の上に座ってもらい、カメラは丘の中腹あたりから見上げて撮影しました。
平な場所で撮影すると、背景にいろんなものが写ってしまいますが、地形を活用しローアングルで撮ることで、背景をすっきりと。
空の青が印象的で、爽やかな一枚になりました。
空を青く写すには、順光で撮影するのがポイント。逆光では空が白くなってしまいます。太陽を背にしてカメラを構えましょう!
低い位置での撮影にはバリアングル液晶とタッチシャッターが活躍
水平アングルやローアングルで撮る場合、地面すれすれから撮ることもありますね。この時、バリアングル液晶が役に立ちます。
夕方の光を逆光にして、彼岸花をシルエットで撮りました。
シルエットで撮る時は空だけを背景にしたいので、ローアングルで撮影します。カメラの位置は地面すれすれ。ファインダーをのぞくには、地面に寝転がらないといけません。
そんなとき、バリアングル液晶付きのカメラなら、低い位置にカメラを構え、見やすい角度に調整した液晶パネルを確認しながらシャッターを切ることができます。
さらにこの場合、シャッターモードを『タッチシャッター』にしておくのがおすすめ。
構図をキープしながらピントを合わせたい位置を液晶パネル上でタッチすることで、ピントが調節されるのと同時にシャッターが切れます。
シャッターボタンを押す手間も省けて便利ですね!
まとめ|3つのアングルで撮影して表現の幅を広げよう
いかがでしたでしょうか?
3つのアングルの種類と特徴、撮り方のコツについてお話ししました。
- ハイアングル、水平アングル、ローアングルの3つの種類がある
- ハイアングルはオーソドックスな写真になる
- 水平アングルは臨場感が出る
- ローアングルならではの特別な写真が撮れる
- 低い位置での撮影にはバリアングル液晶とタッチシャッターが便利
アングルを変えることで、写真は劇的に変わります。
最初に思いついた構図で撮ったあと、次はアングルを変えて撮ってみてください。最初のものとは違った雰囲気の写真が撮れますよ。
カメラアングルが意識できるようになると、想像力が膨らみ、撮り方のバリエーションが広がり、結果として自信もつきます。
いろんなアングルから撮ることを習慣にしていきましょう。
また、アングルによって撮る写真のイメージも大きく変わります。
SNSの投稿に使う際は、メッセージのイメージに合う写真を選ぶことで、よりお客様の心に響いていきます。
伝えたい内容に合わせて、写真を効果的に使っていきましょう。