子供の運動会はいつもカメラを持って行きますが、なかなかいい写真が撮れません。どうすれば上手に撮れるのでしょうか?
春や秋は運動会シーズン。運動会のためにカメラを買う/買った、という方も多いでしょう。
カメラを準備して、わが子が頑張る姿を自分が撮ったで写真でステキに残したいですよね。
ですが、良いカメラを買ったからいい写真が撮れる、というわけではないんです。
運動会の撮影のポイントは、どのカメラで撮るかじゃなく、撮り方です。
屋外での運動会を撮るのに、カメラはフルサイズじゃなくても大丈夫。APS-Cやフォーサーズの初心者向け一眼レフやミラーレスでも全く問題ありません。
また、レンズだってバズーカ砲みたいなやつじゃなくても、キットのレンズで全然OKです。
大事なのは、カメラの設定と撮り方、撮る場所です。
私はカメラマンになって、幼稚園や小学校で運動会を何十回と撮影してきました。正直、失敗もめちゃくちゃたくさんあります。
そんなたくさんの経験をふまえて、今回は『失敗しない、運動会の撮影のコツ』についてお話しします。
この記事を読めばわかること
- 運動会を撮影するときのカメラの設定が分かる
- 運動会で使うべきレンズが分かる
- 競技ごとの撮影のコツがわかる
画像を使いながら、分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
ブロガー自己紹介
この記事を書いている、フリーカメラマンのユキカです。
初心者一眼レフを買って3年でプロに転身。子供・家族・プロフィール写真撮影は年間100件以上。
ネットショップ・店舗向けのファッション雑貨や料理写真の撮影経験もあり。
最近は、起業家・フリーランス向けに写真撮影とホームページ制作や更新のサポートも行っています。
運動会では望遠レンズを使おう
幼稚園の運動会は比較的近くで見ることができますが、小学校の運動会となると生徒数も応援する保護者の数も多くなり、なかなか近くまで行けません。
そんな時は、離れた位置からでも大きく写せる望遠レンズが役に立ちます。
もし、18-135mmなどの高倍率ズームレンズ(焦点距離の幅が広いレンズ)をお持ちなら、運動会にはうってつけです。
一本で標準レンズと望遠レンズの2役をこなしてくれます。
しかし、高倍率ズームレンズをお持ちでなければ、標準レンズと望遠レンズを2つ持って行き、状況に応じて付け替えるのがおすすめ。
子供に近づけない場合は望遠レンズ、近くで撮影できる場合は標準レンズと、2つのレンズを使い分けて撮影しましょう。
運動場は砂けむりが舞っていてほこりっぽいです。レンズの交換はできるだけ素早くして、カメラをいためないようにしましょう!
しゃがんで低い位置から撮ろう(つばの下の表情を捉えよう)
運動会では、子供が小さい場合は特に、しゃがんでカメラを構えましょう。
子供たちは、”つば”のついた帽子をかぶっていることが多いです。
大人が立ったままで高い位置から撮影すると、帽子のつばが邪魔して目が隠れてしまいます。
しゃがみこみ、低い位置にカメラを構えて、つばの下に隠れた子供の表情をしっかりと写し取りましょう。
運動会は「Tvモード(シャッタースピード優先)」で撮ろう
運動会の撮影では、撮影モードは「シャッタースピード優先(TvまたはS)」を選びましょう。
シャッタースピード優先モードは、自分で決めたシャッタスピードで撮影するモード。
かけっこなど動きの速いものでは、ブレないように撮ることが大切です。
そのため、シャッタースピードは1/500秒~1/1000秒に設定しましょう。
幼稚園児なら1/500秒程度でもOKですが、小学校高学年など年齢が上がれば動きが速くなりますので、1/1000秒くらいに設定するのがおすすめ。
速いシャッタスピードで被写体の動きをしっかりとめて撮影しましょう。
明るめの方が楽しい雰囲気の写真に仕上がりますので、露出補正は+2/3~+1くらいがおすすめ。ISO感度はオートに設定しておきましょう!
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フォーカスは「1点AF」を使おう
運動会では、たくさんの子供が画面に入ってくることがあります。
フォーカスをオートにしていると、どの子供にピントが合うか分からず、違う子供にピントが合ってしまう、ということも起こります。
ご自身のお子さんに確実にピントを合わせるために、ピントは「スポット1点AF」または「1点AF」に設定しましょう。
「スポット1点AF」の方がより小さいフレームでピントを合わせます。どちらもある場合、運動会ではよりピントが合わせやすい「1点AF」の方がおすすめですよ。
AFフレームはど真ん中がおすすめ
そして、AFフレームはど真ん中がおすすめです。
たくさんあるフレームからセンターの一点を選択しましょう。
体操服のシャツとズボンの境目でピントを合わせる
ど真ん中のAFフレームを合わせるのは、顔ではなく、シャツとズボンの境目がおすすめです。
コントラスト(色のメリハリ)が強くないとピントが合いません。そこで、色の境目ができるウエスト部分でピントを合わせます。
シャツとズボンの境目にAFポイントを合わせておくと、被写体が近づいてきて大きくなっても確実にフレームの真ん中で捉えられます。
顔の位置でピント合わせるより、確実に被写体を中央に配置できます。
センターのAFフレームでシャツとズボンの境目を狙いましょう。
ピントがオートでは別の子供にピントが合う可能性あり
また、たくさんの子供が同時に走るかけっこでは、ピントをオートにしていると、一番手前の子供にピントが合う可能性が高いです。
ご自身のお子さんが一番手前を走っていればいいですが、そうとも限りませんよね。
スポット一点AFで設定していれば、何人もの子供が一度にフレームにはいってきても、ピント位置を自分で決めることができます。
AFフレームを写したい子供に重ねればOK。ねらった子供に確実にピントを合わせ、撮影していきましょう。
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ファインダーをのぞいて撮影しよう
運動会では、特にかけっこなど競技の写真を撮る際は、ファインダーをのぞいて撮影するのがおすすめです。
理由は、主に次の5つがあげられます。
ファインダー撮影がおすすめの理由
- 手ブレしにくい
- ピント(AFフレーム)を合わせやすい
- 被写体の細部まで確認しやすい
- 日差しが強い日でも被写体をはっきり確認できる(液晶パネルは眩しくて見えないことも)
- 被写体の動きをリアルタイムに確認できる
特に運動会はお天気が良いことが多く、液晶パネルが見えにくいことがあります。
大事な瞬間を逃さないためにも、より確実に撮影できるファインダー撮影がおすすめです。
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かけっこ・徒競走の撮り方のコツ
連写でなく、一枚撮影モードで素早くシャッターを切り続ける
かけっこは連写したくなる競技ですが、「連写」はおすすめしません。
「連写」モードではなく、「1枚撮影」モードを使いましょう。
連写にした場合、シャッターボタンを押している間ずっとファインダー内は真っ暗になり、被写体の確認ができません。
せっかくたくさんの枚数を撮影しても、連写している間に構図がずれてしまう可能性があるのです。
被写体の位置が動かない撮影ではいいのですが、かけっこの場合は移動している被写体を追いかけるので、つねに被写体の位置を確認する必要があります。
1枚撮影モードで、シャッターとシャッターの合間にAFポイントが正しい位置(撮りたい人物)に来ているかを確認しながら、素早く連続で撮影していくのがおすすめです。
ストレートかコーナーを狙おう
撮影場所選びも重要です。写真の出来栄えを大きく左右します。
かけっこは移動する子供を撮影しますが、走る子供を横から追いかけて撮るのは至難の業です。
確実にとらえるには、なるべく正面から撮影するのがおすすめ。ストレートかコーナーを狙いましょう。
直線コースを走る場合はゴール裏がおすすめですが、トラックを周ってくる場合には上記の3つのポイントがおすすめです。
それぞれにメリットとデメリットがありますので、見ていきましょう。
スタートからコーナー入り口を狙う(A)
一番撮りやすいなのはスタートです。走り始めはスピードも遅く、止まっている状態から撮影できるので、三つの中で一番失敗が少ないでしょう。
走る前の緊張している様子や、「よーい」の構えも確実におさえましょう。
コーナー入り口から出口までを狙う(B)
コーナーは、子供たちがスピードに乗って走ってきます。
ここでは正面だけでなく、やや斜め向きの角度から横向きで走る姿までを撮ることができます。
スタートより少し難易度は高いですが、躍動感のある写真が撮れる場所としておすすめです。
コーナー出口からゴールを狙う(C)
コーナー出口からスピードに乗って走ってくる姿を撮ることができます。
ゴールもストレートなのですが、スタートと違うのは、ゴールテープがあること。テープが邪魔してやや撮りづらくなります。
ですが、ゴールテープを切る瞬間のドラマチックな写真が撮れる可能性もある場所です。
スタートやコーナーに比べ被写体が遠くなるので、特にここは望遠レンズでの撮影がおすすめです。
先に走ってくる子供で撮影の練習を【超重要】
かけっこなどは、ご自身のお子様が走る前に、先に走ってくる子供で何度か撮影の練習をしておきましょう。
お子様の出番は一瞬で終わります。二回目はないので、失敗は許されません。
何度か撮影しているとコツがつかめてきますよ。
ベストな状態で本番に臨めるよう、準備しておきましょう。
ダンス・踊りの撮り方のコツ
1点AFでピントを確実に合わせよう
全員で行う踊りなども、「1点AF」で確実にピントを合わせることが大事です。
近くまで行けない場合は、望遠レンズを使って、大きく写しましょう。
ただ、前後列が入れ替わったり、場所を移動したりする場合もあります。
お子さんや先生から事前に情報を入手して、撮影場所やレンズを準備しておきましょう。
カメラを縦にしよう
カメラを縦にするのもおすすめです。
全身を大きくとらえることができますし、撮りたい子供だけを切り取って写ることもできます。
一緒に踊るお友達との写真もおさえつつ、タイミングを見計らってカメラを縦にしたお子さんのアップショットもぜひ撮りましょう。
まとめ
ここまで、運動会での撮影のコツについてお話ししてきました。本日の内容をおさらいしてみましょう。
運動会写真の撮り方のコツ
- 望遠レンズを活用しよう
- しゃがんで低い位置から撮ろう(つばの下の表情をおさえよう)
- 「Tvモード(シャッタースピード優先)」で撮ろう
- フォーカスは「1点AF」を使おう
- ファインダーを覗いて撮影しよう
- かけっこの撮り方のコツ:①連写しない、②ストレートかコーナーを狙う、③別の子供で撮影の練習をする
- ダンス・踊りの撮り方のコツ:①1点AFでピント合わせ、②カメラを縦にしてアップで撮る
運動会の撮影は決して簡単ではありませんが、コツを抑えることで写真のクオリティは確実に上がります。
運動会前夜にはぜひ撮影のコツを復習しておきましょう。
しっかり準備とイメトレをして本番に臨んでくださいね。
皆さんの検討を祈ります。