料理の写真が美味しそうに撮れないとお悩みの方、必見!今回は、自宅で料理をおいしそうに撮る方法についてお話しします。
料理写真がいい感じに撮れない…そういった声をよく耳にしますが、ポイントさえ押さえれば、料理写真は難しくありません。
料理写真をおいしそうに撮る基本的なポイントについては、こちらの記事でご説明しました。
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料理写真が苦手な人必見|おいしそうに見える撮り方の基本6つ
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これを踏まえて、今回は『自宅で料理写真を撮る』場合に特化したお話しをしたいと思います。
ブロガー自己紹介
この記事を書いている、フリーカメラマンのユキカです。
初心者一眼レフを買って3年でプロに転身。子供・家族・プロフィール写真撮影は年間100件以上。
ネットショップ・店舗向けのファッション雑貨や料理写真の撮影経験もあり。
最近は、起業家・フリーランス向けに写真撮影とホームページ制作や更新のサポートも行っています。
ご自宅で『お料理教室』や『お菓子教室』を開いている方には、特にお役に立つ内容ですよ。
ではさっそく説明していきましょう。
朝や昼間など明るい時間帯に撮ろう
自宅で料理を撮る場合は、日中の明るい時間帯を選びましょう。
写真は光が命です。人間の感覚では「家の中はわりと明るい」と思いがちですが、実はそうでもありません。外に比べると、家の中はかなり暗いです。
太陽の光がしっかりと家の中に入ってくる時間帯に撮影するのポイントです。
室内の照明に頼らなくても自然光だけで部屋の中が明るい、朝や昼間の時間帯の方を選びましょう。
部屋の照明を消しても問題ないくらい明るい部屋がベストですが、難しい場合は部屋の照明も補助的に使い、明るい環境で撮影しましょう。
光の差し込む窓際で撮ろう
写真は光が差し込む窓の近くで撮るのがおすすめです。
なぜなら、部屋の中で一番明るく、また太陽以外の光の影響を受けにくい場所だからです。
写真は光が命だとお話ししましたが、光には色も大事です。料理をおいしそうに見せたい時には、日中の太陽から届く白色の光を使うのがおすすめです。
部屋の蛍光灯や電球にはそれぞれの色があります。種類によっては、色が影響して料理が美味しく見えない場合もあります。
窓際は太陽の光が強いので、室内照明の影響をあまり受けません。太陽の光を使って、料理を美味しそうに撮っていきましょう。
お天気が良くて差し込む光が強すぎる場合は、レースのカーテンで光の量を調整しましょう!
レフ板を使おう
自宅で撮影するとき、ぜひ使ってほしいアイテムがあります。それが「レフ板」です。
レフ板とはどんなもの?
レフ板とは、撮影現場で良く見かける、白や銀の板状のものです。
【レフ板】とは反射板のことで、逆光線で花や人物を撮影したときの影になった部分が黒くつぶれること防ぐために光を反射させて使用します。
CANON イメージゲートウェイ写真用語集より
写真撮影用のレフ板は大きいものが一般的なので、料理写真用にはコンパクトサイズの手作りレフ板がおすすめです。
これが私の手作りレフ板。板状の発泡スチロール製です。100円ショップで販売されている『カラーボード』という商品の白いタイプを購入しました。
約40センチの正方形を購入して、カットして横長にし、さらに真ん中にカッターで切り込みを入れ、折って自立するように加工しました。
原価100円のレフ板ですが、きっちり仕事してくれます。
では一体どのように働いてくれるのか、レフ板が果たす役割を分かりやすく説明していきましょう。
レフ板の果たす役割
料理写真は逆光が基本なので、窓に向かってカメラを構えます。
しかし、逆光で撮影すると背景ばかりが明るくなり、料理の正面に影ができて暗くなってしまうことがあります。
そこで、カメラとお皿の間にレフ板を立てます。
すると、レフ板が光を反射して、その光が料理の正面部分にあたり、影となる部分を明るくしてくれるのです。
実際にレフ板がどれほどの威力を発揮するのか、写真で見てみましょう。
レフ板あり/なしの写真を比較
まずはレフ板を使わずに撮影した場合。一番見せたい、サンドイッチの断面部分ががやや暗いのが気になります。
そこで、お皿の手前にレフ板を立ててみました。
断面部分の影が薄くなりました。もちろんカメラの設定や部屋の明るさは変えていません。レフ板の効果です。
レフ板を立てることで、直接光があたらない正面部分に反射光をあてることができました。これによって影がうすくなり、一番見せたかった部分がよく見えるようになったのです。
ちなみに、レフ板をお皿に近づけると反射光は強く、遠ざけると弱くなります。
レフ板の位置を前後しながらほどよい明るさを見極めていきましょう。
レフ板を使わない方がいいときも。状況に応じて使い分けよう
料理写真ではいつも必ずしもレフ板を使った方がいいかというと、そうとも限りません。
正解はひとつではなく、「どんな風に撮りたいか」や、撮る人の好みで正解は変わってきます。
例えば、このカレーライスの写真。[レフ板なし]で撮ったものと[レフ板あり]で撮ったものを比べてみましょう。
二枚目ではお皿の左側にレフ板を立てたところ、左側にも窓があるかのように明るくなりました。
一枚目の写真は落ち着きがあって高級感があり、二枚目は明るくさわやかな雰囲気に感じます。
どちらの写真が好きかというと、個人的には一枚目です。
撮影時にはいろいろなパターンを試してみて、一番しっくりくるセッティングを見つけることが大事です。
『必ずレフ板を使うべきだ』と決めつけず、そのときの雰囲気を見て、臨機応変に対応していきましょう。
光の色に注意しよう
先ほども少し光の色についてお話ししましたが、光の色についてもう少し詳しくご説明しましょう。
『色かぶり』を防ぐ
料理写真を撮るとき、最初のうちはテーブルクロスやマットは白いものがおすすめです。
自宅のテーブルや壁の色はなかなか変えられないと思いますが、もし選べるとしたら、白がおすすめです。
その理由は、『色かぶり』が起きにくいからです。
【色かぶり】とは、写真全体に特定の色味がかかった状態のことです。色かぶりは、カメラの設定や光源の状態、撮影時間帯などの要因によって発生します。
Adobe 写真の色かぶりを補正する
窓から入ってきた光は、家の中のあらゆるところにあたり、反射します。その時、当たったものの色の光を反射します。
赤い壁なら赤い光、青い壁なら青い光です。壁だけでなく、天井や床、カーテンや家具も光を反射します。
そのように色のついた光が写真に影響を及ぼすのが、『色かぶり』です。
特に青い光は、料理を冷たく見せてしまうため、美味しそうな雰囲気が半減します。
料理本来の色を再現するためにも、光は白がベストです。なるべく周囲が白い環境を選びましょう。
ホワイトバランスを変更する
料理を美味しくみせるために、ホワイトバランスも固定ではなく、状況に応じて変えてみましょう。
普段は『AWB(オートホワイトバランス)』に設定していても、料理によっては他のモードに変更したほうがいい場合もあります。
ホワイトバランスの種類
モード | 色温度 | 色み |
白熱電球 | 3200 | 青っぽい |
白色蛍光灯 | 4000 | ↑ |
太陽光 | 5200 | ・ |
くもり | 6000 | ↓ |
日陰 | 7000 | 黄色っぽい |
料理写真は黄色っぽい色みの方が美味しそうに見えると言われます。
パンや焼き菓子は特にそう。こういった食材は焼き色をしっかり表現することが美味しそうに見せるポイントですね。
その場合は、ホワイトバランスを『くもり』や『日陰』に設定。黄色みが強いくなり、焼き色がはっきり表現できて、より美味しく見えるのです。
ホワイトバランスを変えて写真を比較
実際にホワイトバランスを変えてみたものを比べてみましょう。
一枚目はAWB(オートホワイトバランス)で撮影したもの。これだけ見ると、明るくきれいに見えて、特に悪い印象はないですね。
次に、ホワイトバランスを『日陰』に変更し、撮影してみました。
色味が黄色っぽく変わりました。
わずかな違いですが、比べると一枚目はお皿やランチョンマットが青っぽく見えますね。
比較すると、二枚目の方があたたかみが感じられ、美味しそうな雰囲気が伝わります。
写真は光の色で印象が変わります。お部屋の電球や蛍光灯の種類や、晴れかくもりかによっても光の色が変わります。
その時の状況に応じてホワイトバランスを変更し、一番美味しそうに見えるホワイトバランスを見極めて撮影しましょう。
まとめ|日中に窓際でレフ板を活用して撮影しよう
今回は、自宅で美味しそうに見える料理写真の撮り方についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
【自宅で美味しそうに見える料理写真の撮り方】
- 朝や昼間の明るい時間帯に撮ろう
- 光の差し込む窓際で撮ろう
- レフ板を使おう
- 光の色に注意しよう
今回お伝えしたことは基本的なことです。料理写真はまだまだ奥が深いです。
クロス(布類)や食器、花などの小物を使ってスタイリングすると、雰囲気はまたぐっと変わります。
写真の撮り方をマスターしたら、次はぜひスタイリングも勉強してみてくださいね。
この記事を書くために、自分のランチを何度も撮影をしました。
料理写真を撮り始めると楽しくて夢中になり、食べる頃には冷めていることもしばしば…。でもそれくらい、料理写真は楽しいです。
みなさんも日ごろおうちで食べているものも、ポイントを押さえて撮影すれば、美味しそうに撮れるようになりますよ。
さっそく試して、美味しそうなランチ写真をどんどん撮ってくださいね。
最後にひとつアドバイス。料理写真は出来立てが勝負です。撮影するときは料理をはじめる前に、テーブルの上をしっかりと準備しておくことを忘れずに!
料理写真をおいしそうに撮るコツについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
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料理写真が苦手な人必見|おいしそうに見える撮り方の基本6つ
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